洋楽を聴いている人ならば、おそらく90%位の人は踏み絵のように通過しているのではないかと思うビートルズ。彼らの功績はジョン・レノンとポール・マッカートニーという名ソングライターチームがあってこそのものだと思うし、60年代以降のポップミュージックシーンを見渡してみても、未だに彼らを越えるソングライターは見当たらない。(ブライアン・ウィルソンが匹敵若しくはそれ以上になるくらいだろうなあ。)
そのビートルズが1970年に解散し、その以前からジョン・レノンやジョージ・ハリスンがソロ活動をしていたにしろ、ラブソングからロックンロールまで書けるメロディメーカー、ポールのソロ初期2枚『マッカートニー』('70)、『ラム』('71)(リンダとの共同名義)のアルバムがほとんどポール本人による多重録音であり、後期ビートルズでもアルバム作りで発揮されていた才能、ベースだろうが、ギターだろうが、ピアノまでも一人でこなしてしまう、ハンドメイドでアットホーム感が非常に温かで心地良い。
そして、今作『ケイオス・アンド・ザ・クリエイション・イン・バックヤード』はウィングス解散後に発表された『マッカートニーU』('80)以来の自作自演アルバムとなった。最近のポールのインタビューによると、結局ジョージ・マーティンしかプロデューサーがいないなと思い、彼にプロデュースをお願いしようと思っていたが、既にプロデュース業から引退しているジョージに頼めるはずもなく、ナイジェル・ゴルドリッチを推薦され起用することになった。
ナイジェル・ゴッドリッチ、近年レディオヘッドのアルバムを手掛け、ベックとも一時的に作業をした(結局お蔵入り)と言われる新進気鋭のプロデューサー。ポール・マッカートニーと仕事できるというだけで名誉あることだと思うが、なかなかダメ出しできないのものだと思う。しかし、「あなたはもっと良い曲を書けるはずです。」と思いっきりダメ出しをしたらしい。「首にしてやろうと思った。」というポールが腹を立てた逸話や、「ジョンとの関係にも似ている。」という発言も面白い。今回、ポール自身の多重録音になったのもナイジェルによる提案だったらしい。ビートルズ・ナンバーを大フューチャーし、往年のファンを歓喜させた2002年のワールドツアーの大成功により、通常ならチームワークも良くなったツアーバンドのメンバーを使うはずだ。それよりも冒険させた方(守りにはいるのではく自作自演)が実力を発揮(本気にさせる)するとまで、計算尽くなのかどうか分からないが、彼はプロデューサーらしい仕事をしていると思う。
その結果、1stシングルの「ファイン・ライン」を筆頭に名曲多し。あのメロディメーカーぶりを発揮した天才・ポールが帰ってきた。こう断言したい、「ポール、やればできるじゃん!」
このアルバムをフューチャーしたツアーを是非目撃したい!年齢的にも最後のチャンスかもしれないし。
そのビートルズが1970年に解散し、その以前からジョン・レノンやジョージ・ハリスンがソロ活動をしていたにしろ、ラブソングからロックンロールまで書けるメロディメーカー、ポールのソロ初期2枚『マッカートニー』('70)、『ラム』('71)(リンダとの共同名義)のアルバムがほとんどポール本人による多重録音であり、後期ビートルズでもアルバム作りで発揮されていた才能、ベースだろうが、ギターだろうが、ピアノまでも一人でこなしてしまう、ハンドメイドでアットホーム感が非常に温かで心地良い。
そして、今作『ケイオス・アンド・ザ・クリエイション・イン・バックヤード』はウィングス解散後に発表された『マッカートニーU』('80)以来の自作自演アルバムとなった。最近のポールのインタビューによると、結局ジョージ・マーティンしかプロデューサーがいないなと思い、彼にプロデュースをお願いしようと思っていたが、既にプロデュース業から引退しているジョージに頼めるはずもなく、ナイジェル・ゴルドリッチを推薦され起用することになった。
ナイジェル・ゴッドリッチ、近年レディオヘッドのアルバムを手掛け、ベックとも一時的に作業をした(結局お蔵入り)と言われる新進気鋭のプロデューサー。ポール・マッカートニーと仕事できるというだけで名誉あることだと思うが、なかなかダメ出しできないのものだと思う。しかし、「あなたはもっと良い曲を書けるはずです。」と思いっきりダメ出しをしたらしい。「首にしてやろうと思った。」というポールが腹を立てた逸話や、「ジョンとの関係にも似ている。」という発言も面白い。今回、ポール自身の多重録音になったのもナイジェルによる提案だったらしい。ビートルズ・ナンバーを大フューチャーし、往年のファンを歓喜させた2002年のワールドツアーの大成功により、通常ならチームワークも良くなったツアーバンドのメンバーを使うはずだ。それよりも冒険させた方(守りにはいるのではく自作自演)が実力を発揮(本気にさせる)するとまで、計算尽くなのかどうか分からないが、彼はプロデューサーらしい仕事をしていると思う。
その結果、1stシングルの「ファイン・ライン」を筆頭に名曲多し。あのメロディメーカーぶりを発揮した天才・ポールが帰ってきた。こう断言したい、「ポール、やればできるじゃん!」
このアルバムをフューチャーしたツアーを是非目撃したい!年齢的にも最後のチャンスかもしれないし。
2005/10/19